30代未経験・異業種からITエンジニアになった人のキャリアビジョンの重要性:コラム
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閲覧いただきありがとうございます!"さいとう"と申します。わたしは異業種・未経験からIT業界に転職し、現在インフラエンジニアとしてクラウド環境の設計や構築・運用の支援を行っています。
わたしは2022年9月に未経験・異業種からITエンジニアになり、執筆時点でそろそろ2年が経ちます。エンジニア転職をした1年目はすべてが未知・カオスなため、見るもの聞くものすべてに飛びつき、IT業界への適応と視野を広げる努力をしました。
2年目の現在は業務にも慣れたのと同時に、自分の力量不足を痛感しています。Xを見ていると、フォローしているエンジニアたちが最新の技術や自分の知らない技術について触れているのが目に入り、自分の成長スピードの遅さにさらに焦ります。
しかし、その不安や焦りは本来抱く必要のないものだと、わたしは最近気が付きました。
今回の記事では、30代未経験・異業種からITエンジニアになった人向けに、焦りや不安から道を間違わないようにわたしが感じたキャリアビジョンの重要性を書かかせていただきます。
キャリアビジョンの重要性
ITエンジニア2年目は業界に入った1年目より視野が広がり、できることが増えるせいでいろいろなものに手を出してしまう人がいます。わたしがまさにそうで、インフラエンジニアとしてLinuxやWindowOSなどのコンピューティング、データベース、ネットワーク、セキュリティ、ストレージ、さらにAWSやプログラミング言語、最近話題のAIや機械学習と、目につくものはとりあえず勉強していました。
1年が経って振り返ってみてなにか身に付いたかというと、
ノーです。
今挙げたカテゴリはどれも内容が深く、少し勉強しただけで基礎を習得できるものではないです。概要は知っているけど、使えないという状態です。わたしは2年目の途中でこの学習サイクルを続けても何も得られないのではないか、そして、インフラエンジニアになったときに定めたキャリアビジョンとは違うゴールに向かっているのではないかと考えました。もし今あなたがわたしと同じ状態なら、
一度立ち止まりましょう。
わたしがこの記事であなたに伝えたいことは、次の3つです。
・キャリアビジョンの再確認
・選択と集中
・知識の複利
上記3つは明確なキャリアビジョンがあることが土台となっています。
1. キャリアビジョンの再確認
あなたはITエンジニアとしてキャリアビジョンを持っていますでしょうか。わたしのキャリアビジョンは以下です。
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※キャリビジョン準備中
"’
このキャリアビジョンは、わたしがITエンジニアになった2022年9月1日に考えたものです。知識が増えるたびに徐々にアップデートを繰り返していますが、ゴールは変わっていません。
今回の記事は明確なキャリアビジョンがあるかが最も重要な要素です。
もし今あなたがキャリアビジョンを持っていない場合、
今すぐにキャリアビジョンを作成しましょう。
キャリアビジョンを持たずに仕事をするのは、地図やコンパスを持たずに船で出向するようなものです。どこに向かっていいかわからず、一日どのくらい進んでいるかわからず、あなたが持っているパワーを無駄に消費している可能性があります。キャリアビジョンを持っていない方は、まずはキャリアビジョンを作成しましょう。
もしすでにキャリアビジョンをお持ちの方は、以下の2つの観点でキャリアビジョンの再確認をしてほしいです。
- キャリアビジョンは明確か
- 今やっている仕事の延長上にキャリアビジョンがあるか
1. キャリアビジョンは明確か
キャリアビジョンを持たない人は、地図やコンパスを持たないようなものと伝えましたが、不明瞭なキャリアビジョンも似たようなものです。
例えば、次のようなキャリアビジョンを持っている方はいないでしょうか。
・プロジェクトマネージャーになる
・システムコンサルタントになる
・案件に参画する
・ITセキュリティを勉強する
目標はないよりあったほうがいいですが、不明瞭な目標はないのと変わりません。もしあなたがプロジェクトマネージャーになりたいと思った場合、次のことを考えていますでしょうか。
・あなたはプロジェクトマネージャーになることで自分の人生になにをもたらしますか
・あなたが今抱いている情熱や興味はプロジェクトマネージャーになることと一致していますか
・プロジェクトマネージャーにはいつまでに就いていたいですか
・プロジェクトマネージャーになるためにはどんなスキルが必要でですか
・あなたが所属する会社ではプロジェクトマネージャーになるまでにどんなステップがありますか
上記に挙げた内容を考えると、かなり明確なキャリアビジョンになることでしょう。ここで、簡単なチェックリストを用意しました。あなたのキャリアビジョンには次の要素が入っているか確認してみてください。
あなたが仕事に求める価値観が反映されているか | □ |
あなたが挑戦する分野への情熱や興味・関心が含まれているか | □ |
短期目標と長期目標が設定されているか | □ |
内容は具体的か | □ |
目標の達成度合いが測定可能か | □ |
目標が現実的かつ達成可能な範囲内にあるか | □ |
目標が自分の長期的なキャリアや人生の目標に関連しているか | □ |
目標には明確な期限を設定しているか | □ |
もし一つでも当てはまらない箇所があれば、この機会に考えましょう。そして、より明確なキャリアビジョンを手に入れてください。
2. 今やっている仕事の延長上にキャリアビジョンのゴールがあるか
明確なキャリアビジョンを手に入れたら、次にしてほしいことがズレの修正です。
改めて、キャリアビジョンについて説明すると、キャリアビジョンは、将来の職業生活における目標や理想の姿を描いたものです。長期的なキャリアの方向性を明確にし、達成するための具体的なステップを設計するための指針となります。
いきなりですが、登山を想像してください。あなたは今登山をしています。頂上への道は登山道入り口にあった看板で確認し、それからは道なりに登っています。ついに頂上に辿り着いたと思ったら、いつのまにか隣の山の頂上にいました。そんなことないだろうと思う方もいるかと思いますが、仕事に関して言えば、いつのまにか違う山を登っていることはよくあることです。
・プロジェクトマネージャーを目指していたら、いつのまにか折衝役専門の人になっていた
・JAVAのプログラマーになりたいとおもっていたのにGoやほかの言語を学んでいた
ITエンジニアのキャリアの場合、担当領域や上位職が多岐にわたり、境界があいまいです。あなたは自身の今の仕事を続けた場合、自身が描いたキャリアビジョンのゴールにたどり着きますでしょうか。もし辿り着かない、違うゴールに辿り着いてしまうのであれば、すぐにでもズレを修正しましょう。明確なキャリアビジョンはゴールへの指針であると同時に、現在地を測ることもできます。今一度、自分の今の状況とキャリアビジョンを比べてみましょう。
2. 選択と集中
わたしはITエンジニアになってから、さまざまなことを学んでいます。30代未経験・異業種から転職したので、10代・20代でITエンジニアになった人と比べると、知識や経験が圧倒的に足りません。わたしはその差を埋めるため、業務に関係するシステムやサービス、興味のあるAWSやPython、機械学習などとにかく手を出しました。
冒頭でもお話ししましたが、結果は散々でした。手を広げすぎたせいで結局何も身につかず、年齢に見合わないロースキル持ちエンジニアが出来上がってしまったのです。結論を言いますと、30代未経験・異業種からITエンジニアになった人は、学ぶべきことを選択し、すべての時間を集中させましょう。
すごく当たり前のことのように感じますが、不安や焦りから1,2か月ごとに学ぶべきことを変えていませんか?わたしは当時、一か月前にDockerについて勉強していたと思ったら、今月はPythonのFlaskについて学び、来月勉強するためのAWSのコストに関する本や機械学習の本などが机に積みあがっていました。この状況ではなにも身に付きません。
あなたも同じ状況であれば、つぎの3つことを意識してください。
- 選択する
- 集中する
- スパンは長くする
1. 選択する
まずは学ぶべきことを選択しましょう。選択といっても、優先する課題を4つか5つに絞るというものではありません。あなたが持っているキャリアビジョンに照らし合わせ、最優先で学ぶべき課題を1つ選択してください。
選ぶべきことは、
たった一つです。
これを守ってください。
わたしの話をすると、わたしは今、LinuxOSについて学ぶことを選択しました。業務でセキュリティの話やインフラ自動化ツール、AWSイベントでAI関連サービスが耳に入ってきますが、すべてシャットアウトです。わたしは今、LinuxOSを最優先で学ぶことを選択したのです。LinuxOSに関する知識やスキルはわたしのキャリアビジョン達成に必要な要素の一つです。あなたも最優先で学ぶ課題を一つ選択しましょう。
2. 集中する
最優先課題を選択したら、つぎにすべきことは“集中“です。今の時代、最新トレンドがどんどん出てきます。そして、そのトレンドが目に入りやすい状況です。Xやメルマガ、ブログ、Youtube、同僚、上司、などいろいろな方面から技術の最新トレンドが流れ込んできます。トレンドを学ぶことは魅力的で、もし知らないと不勉強の烙印を周りから押されたような感覚になります。
しかし、そのトレンドの学習がキャリアビジョンにどのような影響を与えるか考えましょう。
全く関係ないのであれば、時間の無駄です。
トレンド学習に費やす時間を、選択した課題に使いましょう。
どうしても目移りしてしまう方もいるかと思います。わたしがおすすめする方法は、情報リソースを断つことです。私の場合、Xのタイムラインを見ることをやめました。今までXで流れてきた技術に関するポストをくまなくチェックし、おすすめの書籍は片っ端からAmazonで注文していたのです。しかし、わたしはLinuxの勉強に集中するために、Xを見るのをやめました。やめたおかげで選択した最優先課題に長く集中して取り組むことができています。
“集中"にはもう一つ、意味があり、最優先課題を深く学んでほしいという意味も込めています。
IT業界では知識・スキルを身に着けることが武器で、給与も上がっていきます。専門知識が増えれば、あなたしかできないことが増え、価値が高まるからですね。ぜひ深く学んでみてください。ちなみにどれくらい学習すればいいかというと、あなたの会社であなたが選択した課題に関してあなたが一番知っているくらいまで勉強しましょう。
3. スパンは長くする
選択と集中に関してお話してきましたが、何十年もやればいいというものではないですよね。一つのことを学んでキャリアビジョンが達成できれば問題ないですが、ITエンジニアの場合2つか3つの分野を深く知っている必要があると思います。
今のところ、わたしの学習スパンは10か月間です。
10か月間で選択した学習分野の専門家になるべく、学習計画や学習リソースの選定をしています。10か月間はあくまで目安なので、自身のペースに合わせて調整してください。選択と集中に関して、3つの話をしてきましたが、30代で時間が無いという焦りがあるかもしません。しかし、なにかを身に着けるにはそれなりの時間が必要です。少し長いスパンで一つのことを集中して学ぶようにしましょう。
3. 知識の複利
さいごにお話しするのは、"知識の複利"についてです。複利(ふくり)とは、元本に対して発生した利息を再投資して、次の期間においてその利息にも利息が付くようにすることで、資産が加速度的に増加する効果を指す投資関連の用語です。複利の効果は知識にも適用でき、継続的に学習することで学びの蓄積やスキルの深化が期待できます。
しかし、ここでも選択が重要です。以前の私のようにさまざまな分野を広く浅く学習しても、スキルの深化は期待できません。累積する知識に関連性が乏しいため、継続学習の後期にある相乗効果が少ないからです。ですので、選択した最優先課題を深く、長く学習するように努めましょう。
まとめ
30代未経験・異業種からITエンジニアへの転職は、確かに挑戦的で困難な道かもしれません。しかし、自分のキャリアビジョンをしっかりと持ち、そのビジョンに向かって一歩一歩前進することが重要です。焦りや不安を感じることもあるでしょうが、それらを乗り越えることで、確実に成長していくことができます。
自分のペースで成長し続けることができれば、必ずや自信を持って進むことができるでしょう。新しい技術を学び続ける姿勢を忘れず、自分の成長を喜びながら、キャリアの道を歩んでください。
この記事が、同じように30代未経験・異業種からITエンジニアを目指す方々にとって、少しでも励みとなり、道を誤らないための指針となれば幸いです。自分のビジョンを大切にしながら、日々の努力を続けていきましょう。応援しています。
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